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AI vs 教科書が読めない子どもたち

AI vs 教科書が読めない子どもたち 桑野一哉

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

最初、アキバのアトレで立ち読みしたときにはまたAI本か。 なんて思っていたのですが、AIというよりも人間側の深刻な問題との関係がとても興味深い内容でした。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

AI(人工知能)で東大の入試試験に受かるか?という実験を行っている数学者である、新井紀子さんという数学者の方。

いわば実際に開発&運営を行っている方の視点なので、よくある希望論や不安を煽って惹きつけるAIの話とは別次元な感じがします。

今後もAI関係の話はいろいろでてくるでしょう。
でも情報に振り回されないように、目を通しておいてよさげな1冊です。

レビューというか感想というか、備忘録的に書いておきます。

 

深刻な問題は人間側の「読解力」

ぶっちゃけ私ら平民は、AIなんてあまり興味ないじゃないですか。

ところが興味深いのは、AIの発展とは別に人間側の読解力に問題があることが明らかになってきたんですね。

全国25,000人の基礎読解力調査を実施してみて、ちょっと危機的な状況だと。

 

そしてこの読解力は高校生くらいでほと身についてしまうので、今の社会人も同じようなレベルであるかもしれないんですって。

 

[問1]

次の文を読みなさい。

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なモノを選択肢のうちから1つ選びなさい。

Q・オセアニアに広がっているのは(    )である。

  1. ヒンドゥー教
  2. キリスト教
  3. イスラム教
  4. 仏教

 

これ答えが書いてあるじゃん・・・

という問題なのですが、なんとこの問題の正解率。
中学生は、62%。高校生は、72%。なんだそうです。

3人いたら1人くらい、間違えて理解しているってことですね。

しかもこれ進学校。
つまり学校の聖跡は良い学生たちなのが、日本の学力の深刻さを物語っている一例なんでしょうね。

これで聖跡が良いなんて、ちょっとあり得ないんじゃない?
※↑AIはこういう文章の理解も困難なようです

↑いまこれ「せいせき」が「聖跡」と変換されちゃいました。
 でも私らって文脈からただの誤字でスルーできるけど、これまたAIはこの「聖跡」で

 

教科書が読めない子どもたちAI vs 教科書が読めない子どもたち

 

読解力がなくても点数はとれた(はず)

勝手な憶測ですが、テストだとこういう問題になるのではないかと。

Q・キリスト教が広がっているのは、ヨーロッパ、南北アメリカ、(     )である。

Q・オセアニアに広がっているのは(     )である。

のように、暗記すれば正解することができ、文章の意味を理解する必要がない問題とかね。

これなら、文章の意味を理解できなくても、受験勉強でクリアできるわけです。

 

でもこのように、暗記タイプってデータを詰め込めば正解できます。
まさにAIがもっとも得意とするところなんですね。

そうなると、人間のヤバない?
って感じでしょうか。

正確には、ヤバイ人が少なくないんじゃないと。
で、そのヤバイ人って私らかもしれないわけですね。

 

自分は読解力が低いのかも?
なんて、普通は考えることもないですから。

 

あぁ、こわいこわい。

 

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